関東圏で春の花畑として有名なスポットに「ひたち海浜公園のネモフィラ」や「秩父羊山公園や富士河口湖町の芝桜」、「あしかがフラワーパークの藤棚」などがありますが、今回は“つつじ”の名所として知られる東京都青梅市の「塩船観音寺」をご紹介します。
📖 塩船観音寺とは?
塩船観音寺は真言宗醍醐寺を総本山とする別格本山で、645〜650年に開山されたという歴史の長いお寺です。「塩船観音寺」は通称で、正式名称は「大悲山観音寺」というそうです。現世利益の祈願寺で古来から開山八百比丘尼にあやかって不老長寿の観音、馬の守り神として信仰され、護摩札を受けると家内安全、厄難消除、交通安全、所願成就が叶うということで多くの人がお参りに訪れます。
Google Mapで “つつじ寺”と検索すると文京区の「つつじ苑」や川崎市の「等覚院」とともに表示されるのがこの塩船観音寺です。
春のつつじが最も有名で、その他にも6月中旬〜7月中旬にはあじさい、7月中旬にやまゆり、9月中旬に彼岸花と萩の花が咲くそうです。塩船観音寺には公式ウェブサイトがありますが、スマホ対応していないので、少し見づらかったりします…。
🌸 塩船観音寺のつつじはどんな感じ?
塩船観音寺は通常、入場料がかかりませんが、つつじが咲く4月中旬〜5月上旬まで開催する「塩船観音つつじまつり」の期間中は“入山料”として、大人300円、小学生100円がかかります(現金払い対応のみ)。国指定の重要文化財「阿弥陀堂」に設置された入場ゲートで入山料を支払い、入山しましょう。
入場ゲートを入って大杉のある階段を登ると“ぼけ封じ薬師如来”ののぼりが目立つ薬師堂が新緑に囲まれています。
この薬師堂を左手に通路を進むとつつじが広がる護摩堂 弘誓閣が、右手の階段を登ると本堂 圓通閣があります。今回は初訪問だったのでどちらに進むべきか悩みましたが、右手の階段を登るルートを選択しましたが、あとで塩船観音寺を一望できる眺望スポットでもある“塩船平和観音”まで散策するのなら、上り坂が緩やかなこちらのコースがオススメです。
国指定重要文化財でもある本堂 圓通閣には多くの参拝者が行列を作って、参拝をしていました。この本堂 圓通閣を右手に通路を進むと七社権現社と参拝者が鐘を鳴らすことができる招福の鐘があります。お寺の中に神社があるという神仏習合の塩船観音寺。
お寺の鐘を自由に鳴らすことができるのは独特な地形なこのお寺ならではなのかも知れません。
招福の鐘を右手にさらに通路を登っていくと塩船平和観音のある展望台へと行くことができます。この道すがら、左手にはすり鉢状に広がるつつじを眺望することができます。
麓には護摩堂 弘誓閣、それを囲むようにつつじが広がります。そして、塩船平和観音の展望台へ。
この塩船平和観音は開創1350周年を記念して2010年に建立した新しいものですが、訪れた多くの人がカメラやスマホで写真を撮るシンボリックな存在。
展望台からは林に囲まれるように広がるつつじと護摩堂 弘誓閣、観音池などを眺望することができます。今回訪れた2022年4月30日は早咲きのつつじと遅咲きのつつじの入れ替えの時期だったようで、あたり一面満開!というわけではありませんでしたが、新緑の黄緑やつつじの赤やピンクが良いコントラストでキレイでした!
この展望台から今度は一気に観音池のある麓まで下ってみましょう!
麓に下る遊歩道でもつつじと観音像をセットで望むことができます。
観音池ごしに観音像やつつじを望むことができるため、多くの人が記念撮影をしていました。この日はインド系や中華系、欧米系などの日本在住の外国人もあちこちで見かけました。
観音池から護摩堂 弘誓閣の表側に回ると護摩堂がつつじに囲まれる景色を眺望することができます。護摩堂の右手前に鎮座する不動明王もつつじや五色幕などのカラフルな背景を抱くフォトスポットになっています。
また、護摩堂の隣にある信徒会館 普門閣ではつつじまつりの会期中、みたらし団子やソフトクリーム、焼き栗などが販売されていますが、みたらし団子は売り切れ御免(この日は14時には売り切れていました)。信徒会館の1階にはそばやうどんを500円で食せる食事処<詳しくはこちら>もあります。
🌺 塩船観音寺のつつじの見頃は?
塩船観音寺のつつじの見頃は4月中旬〜5月上旬ですが、降水量や気温などで少しずつ前後するそうです。また、20種類 約2万本と多彩なつつじがあるので、全てが同時に咲くのではなく、期間中に順次咲いていくそうです。
塩船観音寺の公式サイト<こちら>では期間中、2,3日に1回くらいのペースで“本日の1枚”と3か所同じスポットで撮影した写真を掲載し、開花状況をお知らせしてくれています。定点観測で開花状況を伝えてくれるのはユーザーにとってはありがたい情報ですね!
🚆 塩船観音寺へのアクセス方法は?
塩船観音寺は東京都青梅市にあります。駐車料金700円の駐車場もありますが、週末やゴールデンウィークは混雑する可能性があります。
公共交通機関を利用する場合は、JR青梅線「河辺(かべ)」駅から西東京バス「河11」または都営バス「梅77甲」で「塩船観音入口」下車 徒歩10分です。
つつじまつりの期間中、バス停の案内がJR青梅線「河辺」駅北口の歩道橋を出たところに出ているので、矢印に沿って“りそな銀行”前に行けばOKです。りそな銀行前のバス停は西東京バス「河11」の乗り場で、都営バス「梅77甲」に乗車する場合は、河辺駅の方に戻ったところ、交番の前のバス停をご利用ください。
バスの時間はバス会社の時刻表で調べることもできますが、Google Mapの経路検索機能で調べても良いと思います。
今回は都営バス「梅77甲」で行きました。乗車料金はICカードで199円(現金200円)です。
一般利用者も多い路線なので、バスは満車状態でした。バスに揺られること約10分。「塩船観音入口」で下車して、反対側車線に渡ったところにある小道を真っ直ぐ道なりに10分ほど歩いたところに塩船観音寺の入口があります。
Google Mapで塩船観音寺の場所を見る
🗒 まとめ
「一生のうちに一度は行きたい」という人もいる塩船観音寺のつつじ。東京都でありながら、青梅市という郊外エリアに位置するので、街並みも景色も非日常感を味わうことができる“マイクロツーリズム”にぴったりなスポットです。
🐾「塩船観音つつじまつり」概要
〔開催期間〕例年4月中旬〜5月上旬(開花時期により異なります)
〔開園時間〕8:00〜17:00
〔住所〕東京都青梅市塩船194
〔アクセス〕JR青梅線「河辺」駅下車 西東京バスまたは都営バス乗車「塩船観音入口」下車・徒歩10分。または「河辺」駅から徒歩約35分
〔電話〕0428-22-6677
〔料金〕つつじまつり期間中 大人300円、小学生100円、未就学児 無料